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2023年 9月 16日 東進巣立ちます!(猪俣)

みなさんお久しぶりです!

担任助手三年の猪俣です。

タイトルにもあるとおり、私猪俣はこのたび東進を卒業します!(ユーチューバーみたいになってしまいました)

理由は秋学期から一年間、イギリスに留学に行くからです。

来年の夏に帰ってきます。

本当は高校生の皆さんにも留学制度を細かく解説したいところなのですが、今日は最後のブログなのでお世話になった生徒のみんなに伝えたいことを中心にブログを書きます!

とはいっても留学の目的については軽く触れておきます!

1.目的

最大の目的は自分の専攻分野であるヨーロッパ政治についての知見を深めることです!僕はヨーロッパの比較政治学を主に勉強していますが、特に興味があるのが

・最近ヨーロッパ諸国で台頭しつつある極右勢力は誰が支持しているのか?

・移民排斥などの不寛容について双方の立場からの見方

・イギリスのEU離脱による国内での変化

・地域主義(スコットランド独立問題など)の台頭の実情

とまあこのあたりです。

わかりやすく言えば、例えば日本は今のところ移民の受け入れに対して非常に慎重ですが、少子高齢化による労働人口の不足を補うために移民を受け入れるべきではないか、みたいな議論はあります。一方でヨーロッパ、とくにドイツは移民の受け入れ国として有名ですが、融和について課題も見えてきているようです。そのあたりを見てきます!

あとは今までの人生で一番環境が変わるので、それにも順応できるように頑張ります!

行く大学はブライトンにあるサセックス大学というところです!サッカー選手の三苫がいるチームですね!

2.生徒のみなさんへ!

次にみなさんに伝えたいことをまとめます!まず生徒のみんなへ!

受験生は日々のタスクをこなすのに精一杯で見失っているかもしれないけれど、高1・高2生は普段から言われているかもしれないけれど、「勉強する意味」をぜひ考えてほしいです!最近僕の担当生徒から「なんのために勉強するかわかりません」とよく言われます。それに対する答えをメッセージとしたいと思います!

勉強する意味はいくつかありますが、

・社会に出た後に悪い人に騙されないように

・将来のために選択肢を広げておくため

などは抽象的だしありきたりだし、それも一理あると思いますが不完全だと思うのでここでは触れません。

僕は

①物事は良いor悪い の二元論では語れなく複雑であることを実感するため

②利害が一致しない物事があるときに相手側の利害を想像する力を養うため

③物事の価値判断に感情に加え論理的思考力という武器を加えるため

だと思います。

難しいと思いますが①から説明します。

①について

子どもは成長していくにつれ様々な知識を身に着け、善悪の二元論の世界から脱出していきます。小さい子ども向けの絵本は勧善懲悪のものが多いですね。世界がシンプルな方がわかりやすいからです。ところが実際の世界はそんなにシンプルではなく複雑です。例えば世界史の話ですが、「第二次世界大戦はヒトラーがポーランドに侵攻したから起きた」という文章はあまりに物事をシンプルに見すぎている例です。国際連盟の集団安全保障が効かなかったから、米国が孤立主義を採っていたから、経済の不安定化により人々が急進派を支持する土壌ができあがっていたから、などいろいろあるようです。この複雑性を想像することができるようになるためには、ひとつの出来事にもさまざまな要因が絡み合っているなーということを実感することが必要です。

②について

これも①と通ずるところがありますが、利害が一致しないことを目の前にした時に相手側の利害を想像するには相手側のバックグラウンドを知らなければいけないし、さらにいえばどんなものがバックグラウンドとなりうるか(出生、宗教など(もっとあるはず))も想像できなければなりません。だからグローバル・スタディーズとかが最近は流行っているし、「世界から見た日本の見方」を学ぶために歴史総合という科目が生まれたのだと思います。この力は例えば戦争の(戦争の話ばっかりですみません)両陣営側の主張を知ることなど、自分ではない側の言い分はこうなんだ、と気づく経験を通してはぐくまれると思います。

 

③について

これが最重要!勉強をすることで論理的思考力を身に着けることができます。これは、「よーし論理的思考力を身に着けるぞ!」と思って勉強しなくても、数学の証明や社会の記述などをやっていくうちに自然に身についていきます。論理的思考力がないと、物事の価値判断基準が自分の「感想」だけになります。そうしているとひろゆきとかに「それってあなたの感想ですよね」と言われてしまうわけです。自分の好みは普遍性に欠けるので説得力がないですし、いつ変わるかもわかりません。一方論理的思考力を身に付ければ判断にハードな理由が生まれます。相手も納得できるまっとうな選択が可能というわけです。もちろん印象や感想も大事なのでそれも大切にしましょう!ただ論理的に考えられずに好き嫌いだけで判断するようになってしまうと冷静さ、正確さ、一貫性に欠けた判断を積み重ねてしまうことになります。

 

めちゃくちゃ長くなってしまいましたが、以上が、僕が考える勉強する意味です。もちろん答えは無数にあるし、違う専攻の人に聞いたら別の回答が返ってくると思います!大事なのは皆さん自身がこれについて考えて自分なりの答えを出すことです。同時にこれは大学受験というビッグイベントを全力で取り組んだ人にしか出せない答えだと思います。物理的な距離は遠いけれど心は近くにいるつもりです!応援しています!

 

③最後に担任助手のみなさんへ

この2年半で素敵な考えを持っているたくさんの助手のみなさんに出会えました!同じ校舎はもちろん、他校舎の担任助手とも出会えた僕はラッキーだったと思います。ありがとうございました!!

 

ではまたどこかでお会いしましょう!!

担任助手3年 猪俣