オススメの本紹介『いのちへの礼儀』 | 東進ハイスクール藤沢校|神奈川県

ブログ

2021年 1月 5日 オススメの本紹介『いのちへの礼儀』

まえがき

皆さんこんにちは。法政大学人間環境学部人間環境学科2年の坂井晴です!

今回は、私が最近読んで考えさせられた本の一つである『いのちへの礼儀』をご紹介しようと思います。

 

環境倫理学とは?

皆さんは環境倫理学という学問を見聞きしたことはありますか?私は大学2年の後期の履修で、この学問に興味を持って学んできました。

環境倫理学は応用倫理学の一つで、地球環境問題に対して倫理学の視点から物事を考える学問です。

わかりやすい例を挙げるとすれば、人がどんな倫理観を持って生きているのかは「主義」に現れます。

肉を食すことを避け、野菜のみを食べて生活する菜食主義(ベジタリアン)などが有名かもしれません。

彼らが動物の肉を食べない理由には、その根拠となる倫理観が必ずあるのです。

この本の面白さ

私は肉を食べることが大好きです。なので、単純に菜食主義の人に対して興味がありました。特に、「親の影響でベジタリアンになった人」ではなく、「倫理観が変わってベジタリアンになることを決めた人」に対して興味がわきました。もし自分が、同じ倫理観に共感したら、今大好きな肉を食べずに生きることを選択するかもしれない、という可能性にこの学問の面白さを感じました。

ある程度環境倫理学を学んだところで、この本に出会いました。この本では様々な境遇の「いのち」について、客観的な視点から思考していきます。

主題は、「人間にとって動物とは何者なのか」です。主な題材として、いくつかここで紹介しようと思います。

「家族ペット」の時代

皆さんはペットを飼っていますか?飼っている人は、どんな名前をつけましたか?

ペットの名前には、名付け親にとってそのペットがどういった存在なのかが現れると言われています。そして、その名前は時代に即して変化してきているそうです。

日本の歴史と比べてみると、その変化に根拠があることが分かります。江戸時代には犬猫の見た目から名づける「ポチ」「タマ」などが最も多かったにも関わらず、現代では「ソラ」「サクラ」「メイ」など、人間につける名前を犬にも名づけることが一般的になりました。これは、ペットと人間の子どもの区別がなくなってきていることが分かります。

こうして、時代の変化に応じて人はペットに対して求めているものが変化しているのではないか、と考えることが倫理学です。例えば、江戸時代には見た目から名づけることが多かったことから、ペットの存在はどちらかというと「置物」に近い存在であったのではないかとされており、逆に人間と同等の名前を付け始めた戦後から現在にかけて、ペットの存在はあらゆる家庭において子供のような「愛でる存在」に昇華されたことがわかります。確かに、ペット専用の服や食べ物、ベッドなどが出ていることがそのことを際立たせていますね。

屠畜と肉食の歴史

現代の人々は動物を屠殺する瞬間を見ることはありません。スーパーで火を通せば食べられる形になっているものを、購入するだけで食することが出来ます。

筆者は日本人は特にこの間接的に肉を食すことが歴史的にも殆どであったと主張しています。さらに、一般家庭が直接肉を手に入れていたのは1970~80の約10年間であったというのです。この10年に何があったのか、気になりませんか?

私たちは過去と比べてまるで屠殺される動物がいなくなったかのように錯覚してしまいます。しかし現実には、自分たちの代わりに動物を屠殺している人が必ず存在し、今私たちがスーパーに行っていつでも肉を食べることが出来るのは、その間接的で継続的な生産システムがあるからです。では、あなたは現代の屠畜がどうなっているのか知っていますか?

この本では、屠畜の現状について淡々と語られます。本の中では映画の紹介もあり、実際に自分の目で確認することができるので、ぜひ見て欲しいです。

あとがき

今回は、私がとても印象に残っている本についてご紹介しました。ぜひ興味が湧いた方がいたら、読んでみて下さい!